言って欲しくないこと。
「お、復帰?早くね笑」
「おいおい、なまってんだからちゃんとアップしろよ笑」
私が所属する大学のサッカー部のみんなは怪我から復帰する部員にちょっと乱暴に言葉をかけます。
でもこれただの皮肉じゃないんです。
あえての乱暴な言葉をかけることで、休んだ後ろめたさ、復帰の照れ臭さを消し取ってくれる。
しかも言葉の裏に
「ちゃんと治した?」
「もう怪我すんなよ」
って気遣いまで含めるわけだから…
まあ憎らしいくらいにまで器用な真似をしてます笑。
青春の半分以上をスポーツに費やしてきた連中。怪我の辛さとか、復帰するときの不安とかを知っているんでしょう。
今回彩ちゃんがお休みを取ると発表がありました。
正直に言うとかなり心配。「あぁ無理してたんだなぁ」「ゆっくり休んでね」「ヤス推しの方は自分より辛いのかなぁ」。思い立ったらきりがありません。今はあんなにかっこよかったfamily complexの歌詞が辛く悲しく聞こえることもあります。
でも、この心配ムードってちょっと復帰しにくいんです。
周りの心配に焦って早く復帰しようとする。
すぐにまた同じところを壊す。
その傷をかばって違うところに負担がいく。
その辛さを隠してもっと辛くなる。
こんな連鎖に陥っちゃうことが稀にあります。
だから「ファミリー諸君。これ以上ヤスの心配をするな!!」
…って言いたいわけではありません。心配されなさすぎるのも返って辛いしね…
少し心配しながら、復帰を期待しすぎず、相変わらずの日常を過ごす。
難しいけどみんなでバランス取りながら。私たちファミリーならできる気がします。
そうやって彩ちゃんの復帰を静かに待てればいいのかなと思います。
彩ちゃんの体調が回復しレッスンに復帰する時、きっと休んでしまった後ろめたさや復帰への不安が根深く付きまとってしまうと思います。
しかし青春の半分以上をエビ中として過ごしてきたメンバー。ちょっと部活っぽいエビ中。多分このような経験をいくつもしてきたはず。
今回もきっと上手に彩ちゃんを「エビ中の日常」に迎え入れられるのだろうと思います。
じゃあ彩ちゃんがステージに戻ってきた時、私たちファミリーはどうやって迎え入れよう。
客席一面緑色。拍手喝采。
「おかえりー」、「待ってたよー」、「頑張れー」ってそんな暖かい声が飛び交うのかな。
下手なことせずこれで十分な気がします。
…でも少し違う想像もしてみました。
いつもより少し緊張した様子でステージに戻ってきた彩ちゃん。
自己紹介の前に休養のことについて話そうと息を吸うんです。
ふっと静かになる会場。
でもその時、『改まった挨拶はいらないよ!』って声が客席のあちこちから上がって、そのうちに自然に手拍子が始まって。
それで彩ちゃんもその手拍子に合わせていつもどおりに「お待たせしましたっ!」って自己紹介。
そしたら見渡すかぎり緑色に光る客席から「待ってました!!」っていつもよりちょっと大きな声で応えるんです。
欲をいえば「心配かけました」ってあんまり言って欲しくないんです。
だってみんな心配するのは当たり前。それに「私たち言うほど心配してないよ」って強がりたいじゃないですか。
だから
『挨拶はいらないよ』って言葉の裏に
『気にしなくていい』、
『ここにいる時の“私たちも”いつもよりちょっぴり強いんだよ』
って意味を隠して…
とこっそり想像するわけです。